アトピー性皮膚炎について

アトピー性皮膚炎は、慢性的な炎症性皮膚疾患で、特に幼児や若い成人に多く見られます。一般的には「アトピー」と略されています。湿疹病変は痒みを伴い、全身の皮膚に乾燥が見られます。症状は周期的に悪化し、改善するというパターンを繰り返します。また、アトピー性皮膚炎の患者さんは、しばしばアレルギー体質（喘息や花粉症など）を併せ持つことがあります。皮膚のバリア機能の低下により、アレルゲンが体内に侵入しやすくなっており、それが喘息やアレルギー性鼻炎などの他のアトピー性疾患の発症につながると考えられています。
治療は薬物療法、スキンケア、悪化因子の除去が基本となります。強い皮膚症状にはステロイド外用薬での治療が第一選択となります。皮疹の改善が認められた後も、間欠的にステロイド外用を使用するプロアクティブ療法が推奨されます。強い痒みに対して、抗ヒスタミン薬の内服を併用することもあります。
これらの薬物療法のほかに、スキンケア、住環境の整備も重要です。
最近では重症例に生物学的製剤や、JAK阻害内服薬が使用されることもあります。