口唇ヘルペスについて

口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスI型（HSV-1）によって引き起こされる一般的なウイルス感染症です。非常に一般的なため、成人の約3割で発症した経験があると言われています。口唇ヘルペスの症状は、初めに唇やその周囲にピリピリとした痛みやかゆみを感じることから始まります。その後、1〜2日で赤みが出て、小さな水ぶくれが形成されます。これらの水ぶくれは数日でかさぶたになって自然に治癒します。発症から完治までの期間は通常、7〜10日程度ですが、個人差があります。症状が治った後もウイルスは体内に潜伏し、ストレス、疲労、免疫力の低下などのトリガーによって再発することがあります。
口唇ヘルペスの治療は、基本的には抗ウイルス薬の内服を行います。重症の場合や頻繁に再発する場合には、抗ウイルス薬を継続して服用することが推奨されることもあります。再発性の口唇ヘルペスの患者さんが、初期症状を自覚した時点で抗ウイルス薬を服用する Patient Initiated Therapy（PIT） と呼ばれる治療法もあります。再発性の口唇ペルペスの初期症状出現後6時間以内に、あらかじめ処方された抗ウイルス薬を服用することで、早期の治療が可能となります。